はじめまして。美容クリニックで看護師をしているもりーです。
昨今は美容に関心の高い人が老若男女問わず増えてきました。こと美容医療に関しては以前よりぐっと身近なものになってきたように感じます。需要に伴い美容医療を取り扱うクリニックは激増してきましたね。
美容医療は基本的に手の届きやすい価格ではないことが多く、絶対に失敗しないようにと情報収集する人、情報を共有する人も数多くいます。美容医療に関する情報は豊富すぎるくらいですが、調べれば調べるほど「何を信じていいの!」となることも。
正しい情報収集には正しい理論的な前提知識が必須なわけです。そのうえで、実際に施術を受けた人の口コミなどを参考にクリニックや施術内容を選択していきましょう。
「もりー」は美容医療を扱うクリニックで働いて得た知識と経験をフル活用して、医学的に正しいとされる情報を発信することで美を追求する皆さんの情報収集を手助けできればと思います。
長くなりましたが、本題です。
美容医療で一番多くの人がはじめに触れる美容医療といえば、「脱毛」なのではないでしょうか?
脱毛といえば「医療脱毛」の他に、「エステ脱毛」が選択肢として浮かぶのかなと思います。「家庭用脱毛器」なんかもあったりしますね。某コンビニ型ジムでは自分で美容脱毛ができる機械を置いているとか。この選択肢の多さから見ても脱毛に関する需要が高いことがうかがえます。
しかも、脱毛は数か月~数年と時間がかかり、回数も必要なため、医療でもサロンでもコースで契約することがほとんどかと思います。まとまった金額がかかるのでとにかく高い!絶対に失敗したくないですよね。
さて、これだけの選択肢から、じゃあ脱毛したいんだけど絶対に失敗はしたくない、どこでやればいい?という疑問にお答えします。
結論から申し上げますと、目的が「永久脱毛」であるならば、選ぶべきは「医療脱毛」一択です。
(永久脱毛=脱毛完了した毛根から一生毛が生えてこないことです。)
エステ脱毛と医療脱毛の違いについてご説明していきます。
- エステ脱毛と医療脱毛(熱破壊式)の違い
- エステ脱毛のメリット・デメリット
- 医療脱毛のメリット・デメリット
- 結論
- まとめ
エステ脱毛と医療脱毛(熱破壊式)の違い
医療脱毛にも実は様々な脱毛方法があるのですが、今回は大手脱毛クリニックでも使用されている頻度が高く、歴史的に見てもエビデンスのしっかりしている「熱破壊式」に絞ってご説明します。
(近年の医療脱毛ではほとんどが「熱破壊式」や「蓄熱式」を採用していますが、これらの違いについても後日ご説明しますね。)
エステ脱毛と医療脱毛の違いは、「毛母細胞の破壊」をするかどうか、です。
毛根はこのように構成されています。
毛乳頭を覆っているのが毛母細胞です。これが分裂を繰り返して新しい細胞を作り、毛ができあがっていきます。
脱毛の目的は、この「毛母細胞にダメージを与えること」なのです。
ここにレーザーを照射すると、レーザーはメラニンという黒い色素に反応します。照射したその一瞬で小さい毛1本1本が高温になります。
医療脱毛に使用されるレーザーはパワーが強く、毛根が200℃を超える高温になります。200℃、という数字は毛母細胞が破壊される温度とされています。
おわかりでしょうか?毛根が200℃を超えるため、そこに含まれる毛母細胞は破壊されるのです!
(一回の照射でなぜすべての毛母細胞が破壊され切らないのかは後日解説します。)
2~3週間ほどたつとこの時脱毛完了した毛根の毛が段々抜け落ちてきます。(デリケートゾーンや脇などの太い毛はわかりやすいですが、腕や足の細い産毛だとちょっとわかりにくいです。ぽろぽろ落ちるというよりは、伸びかけの毛が下着とかについてて抜け落ちたのがわかる、みたいな(笑))
エステ脱毛も仕組みは基本的に同じと考えて大丈夫ですが、大きな違いは「毛母細胞を破壊できないパワーの低さ」です。医療機器として承認されていない機械では、そもそも毛母細胞を破壊してはいけません。エステ脱毛では、毛母細胞が破壊されない程度の低いパワーでじわじわとダメージを与えていくことになります。
よって、毛の本数こそ減らないものの、毛が生えてくるスピードが遅くなったり、毛質が細く薄くなっていくのです。すなわち、「脱毛」というより「抑毛」の効果を得られます。
エステ脱毛のメリット・デメリット
~メリット~
・痛みが少なく皮膚トラブルのリスクが少ない
→パワーが低いため
・価格が低い
→施術者に資格が必要ないこと・医療機器ではないことなどから価格が比較的抑えられる
・毛がうすくなる
→抑毛効果で毛が薄くなる (以前はエステ脱毛通われてたという患者さんの施術に入った際、かなり毛が細いな、と感じることが多いです。ただかなり濃いな、という方もいたので体感的には効果は個人差が大きい印象。)
~デメリット~
・永久脱毛ではなく、細くゆっくり生えるようになるだけ
→抜け落ちもないし即効性がなく効果を感じにくい
・回数・期間がかかる
→ゆっくりダメージを与えるので医療に比べると通う回数が多くなり期間も長くなる
・妊娠等ホルモンバランスの変化で濃くなることがある
→実際に患者さんにも妊娠・出産を経て毛が濃くなったという方がいらっしゃいました。毛母細胞は弱っていても残っているため起きるようです。
・個人差が大きい
→これは前述しました通りの体感です。
・皮膚トラブルが起きたときの対処がその場で行えない
→医療機関ではないため処置や薬の処方ができない(低出力でも赤みがでたり火傷等のリスクはあります。)
医療脱毛のメリット・デメリット
~メリット~
・永久脱毛が可能
→毛母細胞を破壊するため 脱毛完了した毛根はホルモンの影響も受けない
・回数・期間が比較的少ない
→個人差あるが2年通えば脱毛はほぼ完了できる(脱毛のゴールがどの程度かにもよりますが)
・効果の実感がしやすい
→熱破壊式は照射後2~3週間くらいで脱毛完了した毛根から毛の抜け落ちを実感できる
・皮膚トラブルに医師が対処できる
→その場で処置・薬の処方が可能 アトピーなどがある方も医師の指示のもと受けられるので比較的安心です。
・施術者が有資格者
→医療の提供になるので医師・看護師以外が施術を提供することができない(どのクリニックでも脱毛をするのは基本的に看護師ですね。)
~デメリット~
・痛みがある
→毛母細胞を破壊するほどの熱が皮膚の中で発生するのでやはり痛みはある(毛の太さ・出力にもよる)
・価格が高い
→医師や看護師を雇う人件費や機器の維持費等がかかるため(とおもわれる、、)
・やっぱり個人差はある
→もともと毛が濃くて多い人はそれなりに回数が必要だし、薄い人も毛量が多ければやっぱりそれなりに必要
こんなところでしょうか。
メリット・デメリット比較して一番ご自身の目的と照らし合わせて選択していただければと思います。
結論
もりー的におすすめするのはやっぱり熱破壊式の医療脱毛です。
自分がはたらいていてやっぱり効果があることがわかるのと、エステ脱毛を完了させた後にくる方もまあまあいらっしゃるんですよね。「最初から医療にしとけばよかった」「なくなったと思ったのにまた増えてきた」というお話を聞くと胸が痛みます。時間・費用・労力のコストが倍近くかかることになっている方もいらっしゃいます。
ただ思っていたよりエステ脱毛も効果はあるんだな、といろんな方の毛質をみて感じたのも事実です。永久脱毛がしたいという方には医療脱毛を全力でおすすめします(というかもはやそれ以外の選択肢はないのです)が、
・痛みが本当にダメな方
・完璧にツルツルを目指すというより毛がなく見えるくらい薄くなればいったんOKという方
などはエステ脱毛でもいいのかなと思います。
永久脱毛がしたいのに、金銭的な理由で価格の低めな脱毛サロンに通うのはやめましょう。トータルで高くつく可能性が高いです。
また、医療脱毛は価格こそ高いものの、基本的には永久的に生えてこなくなるため家電とかよりコスパ良いのではないでしょうか(笑)
まとめ
美容脱毛と医療脱毛の違いについて、理解していただけましたでしょうか。
皆さんには後悔してもらいたくないので、自信をもってどちらか合うほうを選択していただきたいです。また医療脱毛を選ぶとしてもクリニックの倒産などまだまだ不安要素が多く、クリニック選びが重要になってきます。
医療脱毛の手法の違いを知ることがクリニック選びの中でもわりと重要になってくるので次回解説させていただきますね。
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